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宮司就任奉告祭祝詞6 お供えなど
今日はお供えの部分、拝礼の部分、神様にお聞き届けくださいとお願いする部分について、どうつくっていったか、説明してゆきたいと思います。
いまあげた順番につくっていったのですが、その前にワンクッション置きまして、
今日を生日の足日と撰び定めて
としました。余談ながら、奉告祭当日は強風の吹き荒れる寒い日で、奏上中にご社殿のガラス窓がばたばた震えるほどでした。それでも自然の力を思い知らされる「生日」(いきいきした日)でいえますし、したがって「足日」(祭日として満ち足りた日)ともいえると思っています。
つづきまして、神饌についての部分。小祭式ながら三方の台数も内容もそれなりに多かったのですが、幹部に力を入れましたのでここは控えめに、オーソドックスな表現を用いることにしました。
礼代(ゐやじろ)の幣帛(みてぐら)と、御食・御酒を初めて、種種の味物(ためつもの)を献奉(たてまつ)り、
「礼代」は礼儀のしるし、というくらいの意味。いろいろな祝詞を読んでいますと、「謝礼」の「礼」のようにとれるつかい方も見かけます。「味物」は、おいしいもの。
ついで、玉串拝礼、このように奉告いたしまして、拝礼する様子を、という意味の語句をつくってゆきました。
玉串をも捧げ奉りて、事の由(よし)告げ奉り、拝(をろが)み奉る状(さま)を
こうした様子を、神様のみこころも平安にお聞き届けくださいまして……とし、つぎのお願い申し上げる部分につなげることにしました。
御心に平らけく安らけく聞し食して
こうした部分で「御心に」から始めるのは、すでに式祝詞に例があります。
かく奉るうづの幣帛を、安幣帛の足幣帛と、皇神の御心に平らけく安らけく聞し食して(廣瀬大忌祭)
廣瀬大忌祭では「皇神の御心に……」となっていますので、これにならい、「大神等(たち)の」を加えて完成としました。
これで完成しましたので、すべてつなげてみたものを以下に掲げます。
今日を生日の足日と撰び定めて、礼代(ゐやじろ)の幣帛(みてぐら)と、御食・御酒を初めて、種種の味物(ためつもの)を献奉(たてまつ)り、玉串をも捧げ奉りて、事の由(よし)告げ奉り、拝(をろが)み奉る状(さま)を、大神等(たち)の御心に平らけく安らけく聞し食して
あすはお願い申し上げる部分より、祝詞の終わりまで、説明してゆきたいと思います。