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万葉集巻第一より
山越の 風を時じみ 寝る夜おちず 家なる妹を かけて 偲ひつ
【六番歌】
〇風を時じみ……「時じ」はここでは「絶え間ない」という意味。ミ語法も加味すると全体で「風が絶え間なく吹いているので」。
〇寝る夜落ちず……ここでの「落ち」は「欠けることなく」という意味。毎晩寝床で、ということ。祝詞の慣用表現「もるることなく、おつることなく」の「おつ」と同様の意味。
〇かけて……意味は現代語と同じだが、この語が歌の中で使用されると、何に「かけて」いるのかが書かれていないことが多い。ここでは「心にかけて」。「掛けまくも畏き」という祝詞の慣用表現との関連から、注意したい。